講演予定内容 (2024年8月20日時点)(追加・変更の可能性がございます)
【10月10日】
持続可能なタイヤの実現に向けてのRFID技術・活用の最新動向について
9:30-10:30
株式会社村田製作所 福原将彦 氏
電波を用いて個体識別を可能にするRFID技術の活用がタイヤ業界で広がっている。タイヤ製造時にRFIDタグを内蔵することで製造、メンテナンス、廃棄まで一連のトレーサビリティを実現し安全性や業務効率の改善、またリサイクル促進といった循環型社会の実現への貢献も期待される。本講演ではRFID技術と活用の最新動向を紹介する。
ソフト高分子材料からなる分離膜を用いた大気からのCO2回収と
新材料開発に向けた課題
10:40-11:40
九州大学 藤川茂紀 氏
地球温暖化対策として、大気CO2の直接回収 (Direct Air Capture, DAC)が必要となっている。低濃度の大気CO2を分離膜にて回収するためには、透過性の極めて高い分離膜を作製しなければならない。とりわけゴム材料は、ガラス転移温度が低く、ガス透過性の高い材料として知られている。本講演では、シリコーンゴムを用いた分離膜による大気からのCO2回収に関する新しい技術の開発を紹介する。
---昼休み---
カーボンニュートラル化を目指したタイヤ資源循環への取り組み
13:00-14:00
株式会社ブリヂストン 北條将広 氏
気候変動への対応のためにCO2削減ニーズが高まる中で、タイヤ市場をサステナブルに成長させるためには、原材料の再生可能資源化と共に、タイヤ資源が循環し続ける世界を創る必要があると考えられる。本講演では欧米動向含め、ケミカルリサイクルを中心にブリヂストンのタイヤ資源循環への取り組みを紹介する。
CO2に応答して力学機能を変化させるエラストマー材料
14:10-15:10
岐阜大学 三輪洋平 氏
講演者は、気体のCO2に応答して力学的な物性と機能を変化させるエラストマー材料の開発を進めている。本講演では、CO2を作用させることで軟化し、自己修復性や粘着性を促進するエラストマー材料、また、CO2に応答して力学的に強く、そして強靭になるエラストマー材料について紹介する。
ビトリマーコンセプトが拓く新材料・新技術
15:20-16:20
名古屋工業大学 林幹大 氏
熱硬化樹脂と熱可塑性樹脂の両長所が組み合わさった新規機能性架橋樹脂として、ビトリマーが注目されている。最大の特徴は架橋網目中での結合交換特性にあり、その特徴に起因してサスティナブルな機能が発現する。本講演では、ビトリマーの基礎物性的特徴から、結合交換コンセプトが生み出す派生技術(アップサイクル・接着・物性変換)まで、SDGsと絡めながら紹介する。
【10月11日】
ゴムの補強効果と不均一系のレオロジー
9:30-10:30
大阪大学 井上正志 氏
ゴムはカーボンブラックやシリカ微粒子等を用いて補強されることが多い。ゴムの補強効果は分散系やエマルジョンなどの不均一系のレオロジーと共通する部分が多い。本講演では、不均一系のレオロジーとゴムの補強効果の共通点と相違点を述べ、ゴムの補強効果への考え方を解説する。
カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet© の開発状況と資源循環の取り組み
10:40-11:40
株式会社カネカ 月見亮介 氏
近年、生分解性プラスチックへの注目が集まっている。本講演では、バイオプラスチックの市場動向からカネカ生分解性バイオポリマー Green Planet? の土中や海水中で分解される特徴や具体的な開発状況、そして廃棄物としての新たな価値創出に向けた資源循環の取り組みをご紹介する。
---昼休み---
熱分解-GC-MSによるマイクロプラスチック分析の紹介
13:30-14:30
株式会社島津製作所 宮本彩加 氏
近年では、極小サイズのマイクロプラスチック(MPs)の測定が注目されている。本講演では、極小サイズのMPsを測定できる熱分解-GC-MS(Py-GC-MS)について、分析事例を含めて紹介する。その他、MPs分析でよく使用されるフーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)や、MPsを含む試料の前処理に用いられる自動前処理装置(MAP-100)も合わせて紹介する。
共役置換反応による高速カルボン酸交換が導くビトリマー性アクリルエラストマー
14:40-15:40
信州大学 高坂泰弘 氏
ビトリマーは「架橋を解かずに架橋を組換え可能なネットワークポリマー」で、成形加工性や応力緩和性など優れた機能を示す。その本質は、付加−脱離機構に基づく架橋点交換にある。本講演では、アリル位にエステル結合を置換したメタクリレートとカルボン酸の高速結合交換を利用した、架橋アクリルポリマーについて述べる。