「ゴム・エラストマーのサステナブル 最近の動向」
2050年カーボンニュートラル宣言や、原料のトレーサビリティー、サプライチェーンの分断など、時代の変化が急速なものになっており、ゴム・エラストマー業界においても原材料や製品のサステナビリティへの関心が高まっています。そこで、本講習会では、ゴム・エラストマーのサステナブル化に向けた最近の動向をメインテーマとし2日間で計10講演程度を企画しています。 今回は、対面とwebのハイブリッドにて開催いたします。会場では、各日講演後に名刺交換会を予定しております。ぜひ会場にお越しください。
日時 | 2024年1月25日(木) 9:30〜17:30(1日目) |
会場 | 京都工業繊維大学 松ヶ崎キャンパス 15号館N105 |
定員 | 80名(先着順) |
受講料 | 正会員 33,000円(賛助会員企業は 2名まで正会員扱い) ※いずれも消費税込
※上記2日間受講できます。
※納入いただきました受講料は返金いたしかねます。
※1日目と2日目の受講者が異なる場合は申込時に申告ください。 |
申込方法 | 下記@〜Cを明記して事務局宛にメールでお申し込みください。
@申込者の所属先・住所・氏名・電話・メールアドレス
A受講者全員の所属先・住所・氏名・電話・メールアドレス・受講区分・会員非会員の別
B請求書発行の要否
C振込予定日
10月初旬にアクセス方法をメールで連絡いたします。 |
送金方法 | 銀行振込 (三井住友銀行鶴橋支店(普)0987208(一社)日本ゴム協会関西支部) |
申込先 | 〒577–0011 東大阪市荒本北1–5–55(事務局) CERI 大阪事業所 内(一社)日本ゴム協会関西支部 TEL:06–6744–2150 FAX:06–6744–2052 E-mail:srijwest@oak.ocn.ne.jp |
講演プログラム(2023年11月20日時点)
(講演プログラムは追加・変更の可能性がございます)
1日目:1月25日(木)
時 間 | 演 題講 師 |
9:30 - 9:35 |
開会のあいさつ |
9:45 - 10:45 |
「天然ゴムのサステナビリティ」
元・株式会社ブリヂストン 毛利 浩 氏
天然ゴムの採れるパラゴムノキは病気に弱く、南米では絶滅の歴史がある。天然ゴムを持続可能な製品にするために、乾燥地帯に生育するグアユールがパラゴムノキの代替として過去から盛んに研究が行われてきたが、ゴムの加工コスト高いという問題があった。2014 年、溶剤抽出技術を使用した環境に優しいパイロットプラントをアリゾナ州メサ郊外に建設し、近くに農場を併設した。これにより、ゴム製造の生産性が大幅に向上するだけでなく、物性もパラゴムと同等となった。
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10:55 - 11:55 |
「サステイナブルなゴム開発に向けた新規硫黄ポリマーの合成」
大阪大学 小林 裕一郎 氏
近年、世界のプラスチック(ポリマー)生産量が増加し、原油などの枯渇資源の消費が加速している。そのため、持続可能な原料で人にも環境にもやさしいポリマー材料の創出が持続可能な開発目標(SDGs)の観点から強く求められている。本講演では廃棄物である硫黄からポリマー材料を創製する近年の講演者の成果を発表する。
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13:30 - 14:30 |
「液状ゴムの特徴とゴム用添加剤としての応用」
株式会社クラレ 上野 慶和 氏
液状ゴムはゴムの混練工程に投入することで、可塑剤として作用し、配合物の粘度を低減させ、生産性を向上させることができる。近年開発したシラン変性液状ゴムは、タイヤに配合するとシリカとゴムの相互作用を高め、低燃費性能の向上に寄与する。今回は液状ゴムの使用例について、タイヤ配合物のデータを中心に紹介する。
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14:40 - 15:40 |
「世界のリサイクル材料」
株式会社加藤事務所 加藤 進一 氏
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15:50 - 16:50 |
「海水浸漬過程における海洋分解性プラスチック薄膜のナノ構造変化」
京都工繊大学 佐々木 園 氏
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2日目:1月26日(金)
時 間 | 演 題講 師 |
9:30 - 10:30 |
「先端分析手法を用いた高分子固体の劣化過程と
マイクロプラスチック生成機構の解析」
九州大学 高原 淳 氏
環境に誤って放出されたプラスチックが、劣化によりマイクロプラスチック(MP)となり、海洋などで環境問題を引き起こしている。本講演では、日本近海で採取したポリオレフィンMP、ポリスチレンMPの構造と物性を顕微ラマン分光、放射光赤外吸収分光、電子線回折、放射光X線散乱、ナノインデンテーションなどの先端分析手法により評価し、実験室で光酸化劣化後の力学的刺激により生成した欠片の構造と物性を比較する事によりMP形成機構を議論する。
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10:40 - 11:40 |
「高圧流体混練場を利用したエラストマー・ゴム系複合材料の開発」
広島大学 木原 伸一 氏
二酸化炭素などの高圧ガスを高分子混練場に利用することで、マトリックス高分子の低分子量化抑制、ナノ粒子の分散促進、低分子量成分の導入・抽出等、従来の溶融混練では難しい条件の混練が可能である。本講演では、主にエラストマー・ゴム系複合材料開発に対して、高圧流体混練効果について解説する。
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13:00 - 14:00 |
「マイクロプラスチック生成メカニズム解明の取組-PEフィルム微細化の模擬実験と捕集したマイクロプラの年齢予測-」
旭化成株式会社 栗間 昭宏 氏
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14:10 - 15:10 |
「高性能な生分解性バイオマスプラスチックの創生と海洋分解性評価」
東京大学 岩田 忠久 氏
生分解性脂肪族ポリエステル、高分子多糖類エステル誘導体などを用いた高性能な実部材への成形加工技術の開発、大型放射光を用いた構造と物性との相関解明、分解酵素を用いた生分解性速度の制御機構の解明、生分解開始スイッチ機能の付与、海洋分解性評価など、一連の生分解性バイオマスプラスチックに関する当研究室の研究成果を紹介する。
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15:20 - 16:20 |
「ゴム製品向けサステナブル原料の取り組み事例紹介」
横浜ゴム株式会社 鹿久保 隆志 氏
配合技術研究分科会の勉強会にてディスカッションしたゴム製品向けサステナブル原料について紹介する。近年、ゴム製品の原料、使用、廃棄に関わる環境、調達懸念が国内外で高まっている。サステナブル化やリサイクルは取り組みが多岐に渡るため、ゴム加工メーカーや原料メーカーの複数社が連携して取り組むことが求められるであろう。
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16:30 - 17:30 *オンライン講演 |
「自己修復性防食コーティング」
広島大学 矢吹 彰広 氏
金属材料の腐食を防止するため、ポリマーコーティングがなされる。防食方法の一つとしてコーティング下の金属に欠陥が生じた場合に腐食の進行が止まる自己修復性が有効である。本講演では、自己修復性防食コーティングの開発思想、評価方法を述べた後に、各種の材料を用いた自己修復性防食コーティングに関する研究を紹介する。
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