秋期ゴム技術講習会「ゴム・エラストマー製品を支える基盤技術と新たなアプローチ」
関西支部

本講習会では、ゴムの配合、成形加工、劣化、添加剤、分析評価、化学物質の法規制をはじめ、ゴム産業を支える基盤技術および新しいアプローチに基づく機能発現に関する講演を提供いたします。研究・開発・生産・製造に従事されている技術者はもとより、業界の技術情報を知っておきたい営業の方にも、おすすめします。

日時

2019年10月10日(木)〜11日(金)(10:00〜17:10)

会場

株式会社島津製作所 関西支社 マルチホール(TEL 06–6373–6522)
大阪市北区芝田1丁目1–4 阪急ターミナルビル14階
(JR大阪駅、阪急梅田駅より歩いてすぐ)

定員

60名(先着順)

受講料

会員 32,400円 シニア会員 16,200円 学生会員 10,800円
会員外 43,200円(いずれも消費税込)賛助会員は2名まで会員扱い。
納入いただきました受講料は返金いたしかねます。
申し込み時に申し出ていただければ、受講者の途中交代も可能です。

申込方法

申込書にご記入のうえ10月4日(金)までに下記宛お申込下さい。
受講証は入金確認次第ご担当者宛お送り致します。

送金方法

銀行振込
(三井住友銀行 鶴橋支店(普)0987208 一般社団法人日本ゴム協会関西支部)
(振込手数料は受講者側でご負担下さい)
請求書が必要な方はお知らせ下さい。

申込先

〒577–0011 東大阪市荒本北1–5–55 CERI大阪事業所 内
一般社団法人 日本ゴム協会関西支部
TEL:06–6744–2150 FAX:06–6744–2052
E-mail:srijwest@oak.ocn.ne.jp

プログラム

「ゴム・エラストマー製品を支える基盤技術と新たなアプローチ」

1日目:10月10日(木)
10:00〜11:10
「階層ヒドロゲル材料:接着制御と高強度化」
大阪大学大学院 工学研究科 准教授 麻生隆彬 氏
ソフトマテリアルの接着制御や高強度化は、ハードマテリアルと比較して比較的困難である。我々は、ヒドロゲルを容易に接着制御しうる電気泳動接着法を開発した。また、新規なフィラー充填戦略によってゲルを高強度化できることを明らかにした。
11:20〜12:30
「カネカ生分解性ポリマーPHBHの特徴と生分解性」
株式会社カネカ 新規事業開発部 福田竜司 氏
海洋プラスチックごみ問題に関心の高まる中、自然環境で生分解するプラスチックへの期待が高まっている。カネカ生分解性ポリマーPHBHは植物油を原料とする100%バイオマス由来のポリマーで、優れた生分解性が特徴である。土中、海水中などさまざまな環境で良好な生分解性を示すPHBHの特徴を紹介する。
13:20〜14:30
「耐熱酸化性と耐疲労劣化性を両立する配合処方」
元 大内新興化学工業株式会社 太智重光 氏
硫黄加硫物の物性改良に際し、耐熱酸化性を改善すると耐疲労劣化性が低下し、耐疲労劣化性を向上させると耐熱酸化性が低下するといった二律背反の現象に直面することは珍しくありません。本講演では、耐熱酸化性と耐疲労劣化性を両立しうる加硫用薬剤あるいは老化防止剤の配合処方と想定される作用機構について紹介します。
14:40〜15:50
「生きものに学ぶ低摩擦と高摩擦」
九州大学大学院 工学研究院 准教授 山口哲生 氏
生きものの体には、関節軟骨や眼球のような低摩擦を示す軟組織がある一方で、高摩擦を示すヤモリの足先などもあり、さまざまな低摩擦・高摩擦機構が備わっている。本講演では、生きものの巧みな摩擦機構を理解するために行われている、モデル実験とその場可視化を併用した研究手法をご紹介する。
16:00〜17:10
「国際分析規格IEC62321-8に準拠したフタル酸エステル検査法のご紹介
改正RoHS指令でのフタル酸エステルの規制に向けて」
株式会社島津製作所 分析計測事業部 工藤恭彦 氏
2019年7月よりEUの改正RoHS指令において、電機・電子機器部品におけるフタル酸エステル4物質の規制が開始されます。RoHSフタル酸エステル検査のための国際分析規格IEC62321-8の概要と、本規格に準拠したPy-GC/MS法による簡便性と信頼性を両立したスクリーニング検査についてご紹介します。

 

2日目:10月11日(金)
10:00〜11:10
「温度応答性高分子網目の構造制御と機能発現」
関西大学 化学生命工学部 教授 宮田隆志 氏
温度に応答して溶解性を変化させる温度応答性高分子は、基礎と応用の両面から精力的に研究されている。本講演では、制御重合による温度応答性高分子ゲルの網目構造制御や微細加工技術を利用した表面構造制御、そのユニークな性質を利用した新機能発現と応用について、われわれの最近の研究成果を紹介する。
11:20〜12:30
「粒子表面の疎水化処理を用いない無機ナノ粒子のポリマー中への分散技術」
富山県立大学 工学部 准教授 棚橋 満 氏
ポリマー中へ親水性フィラーのナノ分散技術として従来採用されてきたフィラー表面の疎水化処理を用いずに調製されたナノコンポジットは、低コスト化のみならずフィラー/ポリマー界面性状を反映した新規特性発現が期待されます。シリカを親水性表面のまま各種ポリマーに分散させた研究事例を、フィラー高分散性を実現するポイントや各種コンポジットの特性とともに紹介します。
13:20〜14:30
「ゴムの加工設備による汎用ゴム材料の成形加工技術の進歩」
元 横浜ゴム株式会社 石川泰弘 氏
ゴム製品開発工程における安定性のためには材料開発の安定化が重要である。材料開発はlab.評価から始まって現場での混合−押出(圧延)−加硫へと進むが、この加工工程と加硫物性の間の安定化のための評価法を考察する。
14:40〜15:50
「フィラー充填ゴム材料研究でのディープラーニング活用の初歩と事例」
防衛大学校 応用物理学科 講師 萩田克美 氏
フィラー充填ゴム材料研究においても、画像分類や超解像化処理などのディープラーニング技術の活用が期待できる。本講演では人工知能やディープラーニング初歩から実際の活用事例までを紹介する。特に、初心者でも実際に取り組めるように、具体的な事例でのデータ処理方法なども紹介する。
16:00〜17:10
「Oリングのシール寿命評価に関する新規アプローチ」
藤倉コンポジット株式会社 技術顧問 堀田 透 氏
Oリングのシール寿命予測は、過去から圧縮永久歪率を評価項目として判定した例が報告されています。今回、温水シール(給湯器用)Oリングで長期圧縮浸漬試験を行い、従来からの圧縮永久歪率に加えて新しい評価項目として、Oリングの圧縮反力と水圧印加時の漏れ発生状態を測定しましたので、検討結果を報告します。
申し込み用紙[PDF]